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コーンビーム CT の特性によるアーチファクトについて

被写体が X 線源の回転面から離れていることによるアーチファクトについて


CT 撮影は、 X 線源の回転面内で、あらゆる方向からの透過像を収集し、 CT 再構成と呼ばれる画像処理を行うことで断層像を得る技術です。(図 3.(1) ) コーンビーム CT 撮影を行うと、 X 線源の回転面の上下の領域では情報が不足しアーチファクトが 生じます。このアーチファクトは、被写体と X 線源を結ぶ直線上に現れます。その度合いは被写体 が X 線源の回転面から離れるほど顕著になります。


 図 3.  (1)                      図 3.  (2)
図3. (1)通常CT撮影の際のX線源と検出器の移動軌跡。矢印はX線の照射方向を示す。 X線源と検出器が同一平面上を動くので、その平面内の断層像を完全に再構成できる。 (2)コーンビームX線でCT撮影を行う際、X線源の回転面から外れた点のデータも取得する。 この場合、(1)と異なり透過像は同一平面であらゆる方向から透視したものではないため断層像を再構成するとアーチファクトが生じる。

図4.に、歯牙ファントムを上下方向に位置づけを変えて撮影した例を示します。先の尖った被写体の先端にCT値の高い部位が存在するため、その部分からのアーチファクトが現れています。
(1)では当該部位がほぼX線源と同じ高さにあるため、アーチファクトはほぼ水平に出ています。
(2)では当該部位がX線源の回転面から離れているため、アーチファクトは斜めに出ています。 また、アーチファクトの形状は幅広です。 被写体の診断・精査を行う際は注目点周辺からのアーチファクトに注意する必要があります。


図4. (1)X線源の回転面と同一平面付近に位置づけした場合。(2)X線源の回転面から離れた位置に位置づけした場合。アーチファクトの強さと向きが異なる。

厚さ計測の精度について

前項と同じ原理的特性により、コーンビームCTでは、X線源の回転面から外れるほど、回転軸方向の距離精度が低くなります。これは、平べったい被写体を水平に配置し、厚み方向の測定を行う際に顕著に現れ、実際よりも厚く計測されます。
図4.に、厚さ1.0mmの円形アルミ板を回転軸方向に20mm間隔で並べたファントムを撮影した画像で、回転軸方向の距離を測定した例を示します。各アルミ板は水平(X線源の回転面に平行)に配置してあります。この例では、X線源の回転面は画像の下から10mmのところにありますので、一番下のアルミ板の厚さは正確に測定できています。しかし、下から2番目、3番目とX線源の回転面から離れるにしたがって、アルミ板の厚さは実際よりも厚く測定されています。 これは、アルミ板の各部から斜め上方向に伸びたアーチファクトが重なり、アルミ板と空気の境界を不明瞭にしたことによって起こっています。
被写体の診断・精査を行う際は、この特性に留意してください。特に平べったい被写体の上下方向の厚みの寸法精度が要求される診断・精査では、バイトブロックで高さを調整し、X線源と同じ高さに位置づけして撮影することが必要です。

図 4. ( 3 )

いろいろな高さに水平に配置した 3 枚のアルミ板 ( 厚さ 1mm) の CT 像。
一番下のアルミ板は X 線源の回転面とほぼ同じ高さにあるため、正確に厚さが計測できている。上のものほど X 線源の回転面から離れるので、実際よりも厚く計測されている。

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